2015年5月1日金曜日

素人が15Pの読み切り漫画を描き上げた方法

完成サンプル
漫画素人ながら、このたび15P描かせてもらいました。そのときに、どうやって描き上げたかをまとめました。

漫画のネタをどうするか?

漫画を描くには、まずどんなネタを描くかを決めなくてはなりません。ネタは日頃から考えておいたり、友達とのくだらない雑談から集めました。こんな時に、面白い友人が多いと助かります。

私の場合、社員食堂で、


  • 人類が宇宙人に家畜にされそうになったら、どうやって回避すべきか?
  • どうすれば、自分1人で誕生日サプライズを用意できるか?


といった雑談をしたことがあったのですが、こういう雑談になったときは漫画のネタ用にメモしておいてました。結局今回はこのネタでは描かなかったですが。

貯めておいたネタ帳を元にしつつ、とりあえず手当たりしだい思いつく限りのネタを書き出します。目標100個で。100個を目標にすれば、きっと50個ぐらいは出てくると思います。

50個もあれば少なくとも1個は、決められたページ数に収まりそうで、かつ面白くなりそうなものがあります。それを吟味してピックアップします。
(本当は100個の中から選べるのが望ましいですが...)

次に選んだネタを元にネームを考えていきます。

ネームを描く


次にネームを考えます。

まずは、大枠の流れとページ配分を考えます。
例えば、


  • シーン1「導入・人物紹介」 2P
  • シーン2「事件勃発」             2P
  • シーン3「盛り上がり1」       3P
  • シーン4「盛り上がり2」       3P
  • シーン5「盛り上がり3」       3P
  • シーン6「オチ」                     2P


というような感じです。
次に、それぞれに具体的なエピソードを考えます。


  • シーン1「導入・人物紹介」 通学時のシーン。セリフで軽く紹介。
  • シーン2「事件勃発」             〜が原因で喧嘩になる
  • シーン3「盛り上がり1」       〜が起きるけど耐える
  • シーン4「盛り上がり2」       〜が起きるけど耐える
  • シーン5「盛り上がり3」       逆転の方法を思いついて実行
  • シーン6「オチ」                     結局〜になる


次に、それぞれのシーン中でのセリフを考えます。ここでは、まだテキストベースで作業します。パソコンでメモ帳とかWordとかでセリフを書いていきます。その方が順番の修正やセリフの追加がしやすいからです。

同時に、"主人公立ち尽くすコマ"などのセリフがないコマについても書いておきます。

この辺りで、一旦推敲します。順番を入れ変えたほうが良い所がないかや、 前半に伏線を貼れるところはないかといったことを考えて、修正します。

次に何ページ目に、どのセリフを持ってくるかを考えます。このセリフはページをめくった時に来て欲しいというのもここで考えます。

また、何ページ目に何コマぐらい使うかなぁというのをざっくり試算し、コマ数が多すぎるところや少なすぎるところを調整します。

ここまでできた後に、実際に紙にコマ割りを書いていきます。紙はテキトーなもので構いません。

この際、画力に自信がなければ、できるだけバストアップや顔だけのシーンでコマを埋めます。素人なので、まずは完成させるの優先で。最悪「セリフだけでも、なんとかなる!」ぐらいの気持ちの方が楽に描けます。

ネームを描いたら、親しい友人に見てもらってアドバイスをしてもらいます。なかなか恥ずかしいものがありますが、是非アドバイスはもらって下さい!

誰にも見せずに下書きに進むのは危険です。状況説明が足りない部分があったりして、全く作者の意図が伝わっていない可能性があるからです。せっかく面白いのに伝わらないのは誰にとっても不幸です。

漫画を描いたことのある人にレビューしてもらうと「さすがだな!」っというアドバイスがもらえるので、身近に漫画経験者がいる方は是非アドバイスを貰うと良いでしょう。

スケジュールをきちんと立てる


ちょっと話が逸れますが作業スケジュールはきちんと立てた方が良いです。

スケジュールは変更があっても良いのですが、とりあえず立てないと、なかなか手が動かなかったりしますし、どれだけ作業ペースが遅れているのか、進んでいるのかも分かりません。

なので、ざっくりとでいいので、
  • 4月6日 下書き 3P描く。
  • 4月7日 下書き 2P描く。ここまでで下書きを終える。
というようにスケジュールを立てた方が良いです。

スケジュールに遅れが発生したとしても、その度にすぐにスケジュールを立て直せば問題ありません。

困ったらGoogle画像検索


どうしても素人は画力が足りないので描きたい画が描き切れません。

一番困るのが表情の描き分け。これができないと、喜怒哀楽が分かりません。

そこで、困ったらGoogle先生に頼ります。

「叫ぶ イラスト」
「泣く 漫画」

とかで調べれば、なんとなく、こう描けば伝わるっていうのが分かります。


Google画像検索「叫ぶ イラスト」の結果

たまに変わった構図の画を入れたい時も、

「下から アングル イラスト」

などで調べて模写すれば、それなりにいけます。(上記の検索ワードだとエロが多く出てしまうけど )

背景や服装、髪型、姿勢なんかもひたすらググります!

電車、女子高生、テクノカット、跳ぶ

などなど、困ったらググる!っでなんとかなります。

人によっては、画にオリジナリティを出したい!っという思いもあるかもしれませんが、そこは素人ですから、まずは完成させることが最優先です。

下書きする

ネームを元に鉛筆で下書きしていきます。鉛筆の硬さはBが良いみたいです。
HBでも良いのですが、Bの方が柔らかいので後から消しゴムで消しやすいです。

消しゴムは何種類か試しましたが Air-inが一番良かったです。

消えやすく、まとまりやすく、汚れにくかったです。 

原稿用紙はこちらを使いました↓



補助線がいろいろあって描きやすかったです。

ペン入れ


人生初のGペンです。インクにつけて描くやつです。ペン先と、ペン軸が別々に売られています。私は今回、以下のものを購入しました。

まず、ペン軸はラバーグリップで滑りにくい以下を。


ペン先はゼブラが売れ筋のようだったので、ゼブラの10本セットを。
墨汁は、漫画用墨汁というのがあり、amazonの評価も高かったのでそちらを。


サインペンの、紙を削るような感覚が苦手だったのでGペンを恐れていたのですが、Gペンで初めて描いてみた感じはそんなに嫌じゃなかったです。むしろかなり細い線を描けるのが気持ち良かったです。

ペン先が細いので、太い線を描きたいときは少し原稿にペン先を押し付けると良いです。ペン先が開いて太い線が描けます。

描いているうちに段々ペン先が開いてくるので、細い線を描きたくなったら新しいペン先に替えます。

ペン先は10本セットとかで売っているので、次々と変えていっても問題ないかと思います。1つのペン先を長く使う人もいるようですが、私は今回15P描くのに6本消費しました。

Gペンで描いていると、定規を使った際にインクがビャッっと伸びてしまうリスクが高いです。そのため、コマの枠などはミリペンを使って描きました。
私は0.3mmのを使いましたが、もう少し細いのでも良かったかもしれません。

仕上げ


ベタ塗り、トーン張り、集中線は、途中までアナログでやりましたが、ひじょーに面倒です!途中で諦めて、画像をスキャナで取り込んで、画像ソフトで編集しました。

取り込むときはDPIに注意です。600dpi以上で取り込んだほうが吉です。

ソフトはPhotoshopを持っていたのでPhotoshopでやりましたが、Gimpなどのフリーソフトでも良いと思います。漫画専用ソフトで良いのがあるのかもしれませんが、今回は使いませんでした。

取り込んだ後は、まずは"レベル補正"で線の濃さの補正をします。そうしないと、全体的に薄い仕上がりになってしまいます。

ソフトで編集する際は、提出する原稿サイズで編集してください。あとから拡縮を掛けると、トーン部分にモアレが発生してしまいます。

トーンは、
こういったところにフリーのものがあるので使わせてもらいます。

集中線は、
こちらを参考に集中線を作って貼り付けました。

画力がないので説明上絶対必要な背景以外は、できるだけトーンを張るだけにしてごまかします。

最後に台詞を入れます。たまに、吹き出しのスペースが足りないことがありましたが、そこは行間を狭くしたり、気づかれない程度にフォントサイズを小さくして ごまかしました。

以上で、完成です!

というわけで告知!


そんなこんなで15P仕上げた漫画ですが、知人の同人誌に載せてもらってます!

そしてそして、

2015年5月5日(火・祝)
コミティアに出店します!

場所は東京ビックサイト

東5ホールのN15bというところにいます!

限定50冊!

一冊600円

私も売り子をしております!

是非是非ご来店を!






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